相続放棄とは?
相続放棄とは?
相続放棄とは、誰かが亡くなったときに、法律で決められている法定相続人が、一切相続をしないという手続です。
プラスの財産も、マイナスの財産も一切相続をしません。
誰かが亡くなったときに、借金が多かったり、相続争いに巻き込まれたくないときなどに使われる手続です。
手続としては、家庭裁判所に申立をする必要があります。
法定相続人とは
誰かが亡くなったときには、法律で相続人になる人が決められています。
まず、以下の図で「本人」が亡くなったとします。
配偶者(この図で言うと妻)は常に相続人となります。
妻以外には、まず子供が相続人になります。
配偶者(妻)以外の相続人には順位があり、自分よりも優先順位の相続人がいる場合には、相続しません。
子供は第1順位です。
もし、子供(孫も)がいなかったり、子供が相続放棄をした場合には、次の順位に相続する権利が移ります。
第2順位は両親です。
もし、両親がいなかったり、両親が相続放棄をした場合には、次の順位に相続する権利が移ります。
第3順位が兄弟姉妹です。
第3順位の法定相続人までが全員相続放棄をした場合には、次の順位はありません。弟が相続放棄をした場合、自分の子供にも相続させないものだという意思が認められるため、弟の子供は相続人にはなりません。また、この場合、弟の妻も相続人にはなりません。
相続放棄は、このように相続人になる場合に、必要な手続です。
皆さんが相続放棄をしたいという場合には、自分が相続放棄した場合、次の順位にあたる人に連絡をしてあげた方が良いと思います。
相続放棄はいつまでにすれば良いのか。
法律上、相続放棄は、
「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から」
3ヶ月以内におこなう必要があります(民法915条)。
3ヶ月は、必ずしも亡くなった日から3ヶ月という趣旨ではありません。3ヶ月のスタート時点は、人によって違います。海外にいるなどして、亡くなったことを知らなかった場合には、スタート時点が遅くなります。
「3ヵ月以内に判断できない」という場合には、期限の延長が認められることもあります。
3ヶ月経過後に請求書が送られてきて、多額の借金があることを知った場合などは、相続財産に手を付けていなければ相続放棄が認められることもありますので、ご相談下さい。
相続放棄前に単純承認をしないこと
相続の単純承認をすると、普通に相続したことになり、相続放棄はできません。
相続財産の処分をした場合には、単純承認となります。
理論的には、処分が単純承認になるので、被相続人の預金口座から「出金」するだけでは単純承認にならず、それを使ったときに単純承認になります。
また、保存行為は、単純承認にはならないので、相続財産の家に住んでいるだけの場合などは、単純承認にはなりません。
また、債務の支払い自体も、財産の処分ではないため、その後に、相続放棄をすることはできます。