よくある質問
Q.相続放棄などの家事事件の統計データは?
平成30年の家事事件の統計データを紹介します。
相続放棄の件数以外にも、全体的な家事事件の変化を追いかけます。
家事事件は過去最高に
平成30年の間に、全国の家庭裁判所が新たに受理した家事事件、人事訴訟事件等の総数。
全国で106万6332件とされました。
これは、過去最高の件数となります。
これらの家事事件、人事訴訟事件等については、審判事件が全体の約82.8%を占めています。
平成30年の審判事件は、88万3001件。
こちらも過去最高の件数を記録。
10年間で約1.4倍になっています。
平成30年の調停事件は13万5793件でそこまで増えていません。
ここ数年では減少傾向です。
審判事件の分類
審判事件には、別表第一審判事件(家事審判法における甲類審判事件)と、別表第二審判事件(家事審判法における乙類審判事件)があります。
別表第一審判事件は、増加傾向。
平成30年は86万3916件とされています。
審判事件の大部分を占めています。
別表第二審判事件も10年前と比較すると、若干増えています。
相続放棄事件の推移
相続放棄の審判は、別表第一審判事件です。
相続放棄は、全体の約24.9%を占めています。
しかも、増加傾向にあります。
平成30年は21万5320件。
10年間で、約1.4倍に増えています。
高齢者の死亡自体も増えていたり、相続人が多い年代の死亡が発生していることが関係しているでしょうが、債務を負ったまま死亡する人が多いのも事実です。
子や配偶者だけでなく、親、祖父母、兄弟姉妹の相続放棄というように、連続して依頼を受けることも多いです。
その他の審判事件
そのほかの傾向として、多い事件は、子の氏の変更事件。
全体の約17.8%。
増えたり減ったりという事件です。
離婚とからんでの事件であることがほとんどです。
平成30年は15万3834件。
成年後見関係の事件も増えています。
後見開始事件、保佐開始事件、補助開始事件(いずれも取消し等を含む。)及び任意後見契約に関する事件のは、
合計5万1518件。
増加傾向です。
ここに、後見等監督処分事件及び後見人等に対する報酬の付与事件が大幅に増加。
16万2085件及び14万6984件となっています。
10年前の比較して、数倍という伸びで、報酬が発生するような職業後見人や後見監督人が多くつけられていることがわかります。
親族後見人による使い込みなどから、このような方向性になったものといえます。
もっとも、職業後見人による事件もあることから、信託の利用も増えています。
子の監護関係
別表第二審判事件の中では、全体の約49.7%を占めるのが、子の監護に関する処分事件です。
こちらは、大幅に増加。
平成30年は9483件
10年前から約1.6倍に。
子の監護といっても、その中にはいろいろな事件が含まれています。
増えているのが、監護者の指定事件、面会交流事件、子の引渡し事件です。
それぞれ2555件、1936件、2176件で、10年間でだいたい2倍になっています。
婚姻費用分担事件が、平成30年は3138件。
離婚前を含めて別居、その費用負担、子をどちらが引き取るか、合わせるかという紛争が相変わらず多いことがわかります。
少子化時代でも増えているとなると・・・。
遺産分割審判は減少傾向
遺産分割の審判は、ここ数年、減少傾向にあります。
平成30年は1967件という数字です。
審判にかかる期間は?
家庭裁判所の審判にかかる期間がどのくらいなのかについても、統計上明らかになっています。
別表第一の審判事件は、約77.7%が1月以内に処理されています。平均審理期間も1月。
これに対し、別表第二の審判事件は、1月以内に処理されたのは、約9.4%。
1年を超える事件も約9.3%。平均審理期間は5.7月でした。
別表第二の審判事件にかかる審理期間は、過去の数字と比較すると、やや長期化傾向にあります。
子に関する紛争が増えているとなると、この傾向には納得できます。
監護者、引渡などでは、5.7ヶ月の平均期間では終わりにくいと感じます。
家事調停事件
平成30年の家庭裁判所の調停事件の新受件数は13万5793件でした。
全体としては減少傾向。
婚姻費用、子の監護などを含む別表第二調停事件(家事審判法における乙類調停事件)が8万0458件。数年レベルでみると増加傾向ですが、前年比は減少。
ここでも、大きいのは子の監護に関する処分事件。
全体の約40%を占め、増加傾向にあります。審判も増えているということで事件自体が多いことがわかります。
監護者の指定事件、面会交流事件及び子の引渡し事件が、大幅に増加しているのも審判と同じです。
婚姻費用分担事件も増加傾向。
平成30年は2万1666件。
遺産分割調停については、平成30年は1万3739件。
前年比で減少ですが、10年単位で見ると増加傾向にあります。
調停が成立する確率は?
調停事件全体の調停成立率は、ここ数年下がっています。
平成30年は約52.0%という数字でした。
平成25年から調停に代わる審判の利用が可能になり、平成30年では、調停事件全体の約5.2%、6933件となっていることも要因でしょう。
調停期間は?
別表第二の調停事件では、6月以内に終了した事件が約63.9%、1年を超える事件が約10.9%。
別表第二以外の調停事件では、6月以内の事件が約69.5%、1年を超える事件が約6.8%。
平均審理期間は、別表第二調停事件が6.4月、別表第二以外の調停事件が5.6月という数字です。
1割前後は、1年以上かかるという内容です。
ジン法律事務所弁護士法人の調停事件の期間をみると、6割が6月以内に終了というのは少し早いかな、と感じますが、弁護士を代理人にするのが紛争性の高い事件だとすると、そういうものかもしれません。
なお、調停期間については、長期解する傾向となっています。
相続放棄を含めた家事事件のご相談は、ジン法律事務所弁護士法人までご相談ください。