よくある質問
Q.相続財産の国庫帰属とは?
相続人が誰もいないときの財産は、最終的に国に行くことになります。
これを国庫帰属と呼びます。
全員が相続放棄をしたときも、相続人が誰もいないことになり、相続財産は国に帰属します。
相続人不存在手続の最後が、この国庫帰属です。
国庫帰属の手続
相続人不存在手続で、債権者へも弁済し、特別縁故者から財産分与請求手続も終わったのに、残余財産があるときは、国庫に帰属します。
相続財産管理人が、相続財産を国に納付して手続が終了となります。
ただ、相続財産の中に、特許権、著作権などがある場合には消滅します。
国での管理ができないため、消滅してしまうわけです。
最終段階で、相続財産管理人の報酬を決めていなかった場合には、この決定が出され、相続財産管理人がこれを受領後、国に引き継ぎます。
相続財産の国庫帰属の方法
国への納付方法は、財産の種類によって違います。
もっとも多いのは、預貯金でしょう。
現金や預貯金の金銭債権については、家庭裁判所の債権管理官経由で、歳入徴収官から納入通知書が発行されるので、それをもって銀行等で納付します。
不動産や株式等については、相続財産管理人の引継書に基づいて所轄財務局長に引き渡されるものとされます。
とはいえ、不動産の場合には、相続財産管理人が換価することが多いです。最終的に残るのは、売れないような不動産で、市区町村でも寄付を断られたような不動産であることが多いです。
このような納付をして、相続財産管理人が国庫帰属させた報告書を家庭裁判所に提出し、事件としては終了になります。
相続人による対応は不要
相続財産の国庫帰属については、このように裁判所から選任された相続財産管理人が対応する手続です。
相続人が自分たちで何かしなければならないということはありません。
相続財産管理人が選任されたら、保管している相続財産を引き継ぎ、その後は、相続財産管理人に任せることとなります。
相続放棄、相続財産管理人のご相談は、ジン法律事務所弁護士法人までご連絡ください。